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《マクベス》@METライブビューイング [オペラ録音・映像鑑賞記]

Macbeth070820s.jpg 着物仲間と行って来たMETライブビューイング《マクベス》の感想です。

 アレンもグロ様もさんざんお世話になっているにもかかわらず、私METって何故かあんまり好きじゃないんです。まぁヴェルディだし、マリア・グレギーナだしってコトで、この演目を選びました。

 タイトル・ロールは当初のラード・アタネッリからジェリコ・ルチッチに変更された形跡アリ。こちとら、ついこないだ新国でアタネッリを聴いて「ほほう…♪」ってなったばかり。一方のルチッチは未体験。このあたりが心配といえば心配でした。

 私もこー見えて、ヴェルディ・バリトンにはうるさいのです。生意気でショ(笑) しかもつい一週間前には、ウチのブログの“三大じーちゃん”の一人であるところのピーター・グロソップを亡くしたばかり。そうでなくても《マクベス》はグロ様の声がスタンダードになっていますから、もう誰のマクベスを聴いても「フンっ…」てなるに決まっているじゃないですか。

 そして案の定、ルチッチの歌唱はビミョーでした。本調子じゃなかったんだと思いますが、声が軽いし、ちっとも前に響いてこない。後半、たまに「ん? 今のはナカナカ…?」なんて思わされる瞬間もありましたが、乗り切れなかった感じです。

 ヴェルディ・バリトンを聴く楽しみは、「声」と「テンションの高さ」にアリ。改めて、グロ様の偉大さを再確認させられた次第です。(まぁグロ様は“声”と“テンション”だけの歌手なんでして、それ以外は至極平々凡々なのは認めマス。ハイ…;;;)

 一方のマクベス夫人、マリア・グレギーナには、始終魅了されっぱなしでした。彼女のマクベス夫人を観られただけでも、わざわざ東劇に足を運んだ甲斐があったと言うもの。-----------------------------------
Macbeth070812s.jpg アジリタにはちょっと難があったものの、気になるほどではなし。とにかく凄い迫力で、夫マクベスの声をかき消していましたね。

 ドラマティック・ソプラノで好きなのがいないな~なんて思っていましたけど、そっか、グレギーナがいたじゃないの!!
 ホセ・クーラとの《マノン・レスコー》ではあまり良い印象が無かったので、その後すっかり無視していたのですが、もういちど聴きなおしてみましょうか。それとも新たに《トスカ》を視聴してみましょうか。などと、手のひらを返したように興味津々となった次第。

 この人、ロシア人なんですね。ライブビューイングでは幕間に歌手のインタビューが入ったりしますが、その時のグレギーナの地声が男性のように野太く、そんなところも気に入りましたw

 演出ですが、一応、20世紀を想定した舞台美術・衣装とのことです。なるほど、確かにそんな感じですが、設定じたいを変えたわけではないので、違和感は全くありません。全体的にダークで、装置もシンプル。にもかかわらず、貧相な感じはなく、視覚的にも満足しました。特に、城の大広間と森が同時に存在する空間や、夢遊病に陥ったマクベス夫人が危なっかしく並べられた椅子の上をさまよい歩くシーンはたいへん幻想的で美しいと感じました。

Macbeth070818s.jpg とりわけ奇抜で目を引く演出というわけではありません。もちろん血の赤さはきちんと強調されますけれども、おどろおどろしいわけでもない。それよりも何よりも、マクベス夫妻の共依存的な結びつきがたいへん官能的で、哀れを誘っていたと思います。

 ジェリコ・ルチッチも、歌唱はいささか残念ではありましたが、存在感はなかなかのものです。ぽっちゃり体型ですけど、お顔は私好みでデッカイし~。そもそも、マクベスみたいな女房の尻に敷かれたタイプのキャラに弱いのです、ワタシ。萌えです、萌え!!(*´Д`)

 そして、ベッドで抱かれながら夫に暗殺をそそのかすマクベス夫人…!! ものすご~く、もンのすご~~~く、共感してしまうんですケド、ワタシ!!(*´Д`) 聖書によれば、これぞ女性の本質的な「罪」なわけですが、その思想の是非はともかく、ワタクシ、自分の中にこのようなダークな一面があることはハッキリと意識しております。犯した罪への恐れから精神を病んでしまう、悪人としての中途半端さ、脆弱さとかも、親近感を抱いてしまうんだなぁ。

 グレギーナ演じるマクベス夫人。なんだかもう、自分の心の中を見ているようで、愛おしくて愛おしくて……。
 ルチッチに必要以上にドキドキ萌えてしまったのも、自分とマクベス夫人を重ね合わせてしまったからなのかも。


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[指揮]ジェームズ・レヴァイン
[演出]エイドリアン・ノーブル
[出演]
マクベス夫人:マリア・グレギーナ
マクダフ:ディミトリー・ピタス
マクベス:ジェリコ・ルチッチ
バンクォー:ジョン・レイリー

タグ:マクベス MET
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コメント 2

straycat

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しまさんのレポと感想待っていました!

>城の大広間と森が同時に存在する空間や、夢遊病に陥ったマクベス夫人が危なっかしく並べられた椅子の上をさまよい歩くシーンはたいへん幻想的。

そうそう!・・私もそう感じたんですが、レポを書く段になってすっかり忘れ去っておりました(爆) 最近ワーキングメモリというか海馬ちゃんが言う事を聞いてくれなくて困ります(人のせい)

確かに奇抜ではないですが趣味が良くて、スッキリした中にも、幻想的、官能的なムード漂う演出でしたね。マリア・グレギーナもそれによく応えていたと思います。
しかし女性の本質的な「罪」って言われても・・、それがなければ女性じゃないじゃんね(暴言)

追伸:言いたい事全部書いてあるので、しまさんの方からうちの方にトラックバックしてもらえませんか?うちからはいいです・・(--;
by straycat (2008-09-20 09:26) 

しま

TITLE: straycatさん
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■straycatさん
レポ遅くなりました。先週はブログをやりすぎて体を壊しかけてしまいまして…(笑) でも私も、一週間も経つと言いたい事の半分以上は忘れてしまいます。バンクォーのこととかも書こうと思っていたんだけどなー(でも追記する体力無し)。

>それがなければ女性じゃないじゃんね

おお、straycatさんもイヴの娘でいらっしゃいますね!! がしっ(←固い抱擁)

お言葉に甘えて、TBさせていただきました。(実は昨日は、TB用URLがどこにあるのかわからなくて;;;)
ンでも、こんなにおバカなことばかり書いてるので、ちと恥ずかしいですわ(^^;
by しま (2008-09-21 01:15) 

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